おじさんがおじさんになるまでの話

おじさんは昔おじさんではなかった。それどころか、男の子でさえなかった。男の子に生まれなかったおじさんが、いかにしておじさんになったかを少しずつお話ししていきます。

腕の面倒を見る

ごきげんよう、聞こえてきた歌に合わせて鼻唄を歌うとき、歌詞がない部分を歌いがちなおじさんです。


2回目の渡タイで腕にトンネルを拵えて、尿道を延長する手術を受けたお話をしております。手術が終わって、病院で見たものやコンビニで気に入ったものなどのお話を、前回はさせて頂きました。


腕のトンネルのその後のこともお話しする予定でしたが、できずにおりました。本日そのお話をさせて頂きます。本日の記事には腕に穴が開いてて、しかもまだ治癒しきっていない状態の生々しい写真が出てきます。グロ苦手のみなさんはお気をつけくださいな。

腕に穴を開けた後

腕にトンネルを開通させていったいどないするねんな、というお話を、手術のお話の記事でさせて頂いたのですが、憶えておいでですか。「その記事読んでないわ」という方はちょいとお読みください。

左前腕の内側に空けたトンネルが尿道になるという奇ッ怪なお話です。こんなことができてしまうんですねえ。おじさんは今回の手術で腕にトンネルができた訳です。

トンネルを空けてすぐにこの部分がちんちんの材料として使える訳ではありません。手術の傷が癒えるのを待たなくてはなりませんのでね。次の手術までは最低半年空けるようにと執刀医からは言われます。

手術の日から2週間後には帰国してしまいますから、最低半年間は自宅で腕トンネルの世話をしないといけないということですな。どんな風に世話をするかというのは、次の項で。

腕トンネルのケア

腕トンネルなんて滅多に見聞きするものではないのでよくわかんないかと思いますが、ピアスみたいなものだと思ってください。似たようなものです。手術した人の中には「腕ピアス」と呼ぶ人もいるようですしね。

開けた穴には常に尿道カテーテルを挿し込んでおかないといけません。でないと、せっかく開けたトンネルが塞がってしまいます。でも清潔にしておかないといけないので、毎日1回はカテーテルを外してトンネルの中を洗浄する必要があります。

さて、その手順は次の通り。

1.カテーテルを外して、トンネルの中を生理食塩水で洗浄します。

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手首側の入口からじゃばじゃばー、肘側の入口からじゃばじゃばー、と勢いよくトンネルの中に生理食塩水を流して、これを2~3回繰り返します。

2.穴の入口に軟膏を塗ります。

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軟膏は病院で処方された抗生剤です。傷が化膿しないためと、後でカテーテルを再挿入するの潤滑剤にもなります。

3.軟膏はトンネルの両側に塗ります。

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最初の3箇月くらいはこうして薬剤を塗りますが、傷が落ち着いたら潤滑ジェルに変えます。

4.軟膏または潤滑ジェルを穴の入口に塗ったら、尿道カテーテルをゆっくり差し込みます。

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カテーテルはシリコン製で、潤滑剤が充分でないと穴に入っていきづらいです。ヌルヌルしてなかったり、慌てて乱暴に挿れようとすると挿入しづらい上にちょっと痛いことも。オトナならわかるよネ。

5.カテーテルは手首側から肘側まで貫通させます。

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きちんと挿し込んでおかないと、将来、尿道になるトンネルが塞がってしまいます。せっかく手術したのが無駄にならないようにケアします。

6.カテーテルを差し込んだら、穴の入口の両方に、写真のようにガーゼを挟み込んでおきます。

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7.腕にカバーをかけておきます。

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1~6の手順を済ませたら、本来は包帯を巻いておくのですが、1人でケアをするとなるとなかなか難しいので、おじさんは写真のような感じでカバーをかけてました。写真で使用しているのは100円ショップで買ってきた靴下(踵がないもの)の爪先をちょん切ったものです。

上に並べている写真は手術してから2~3週間の頃のもので、穴の入口のかさぶたが随分痛々しく見えますが、時間が経ってかさぶたが取れて傷が安定すれば、次の写真のようにきれいになります。

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この写真は手術から11箇月後のものです。1年も経ってないけど結構きれいに治癒してるでしょ。

カテーテル交換の際には煮沸消毒をするようにと病院から指導されますが、「煮沸」と言っても湯でカテーテルを煮てはいけません。

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煮込むとカテーテルが変質して変形のもととなります。煮るのではなく、熱湯をかけて消毒するのです。写真をごらんになっておわかりの通り、おじさん実はやってました。だって「煮沸」て言ったら煮ると思うじゃん……(バカ)。

熱湯が手に入らない環境なら、乳児の食器などを消毒するミルトンやチュチュベビーを使用してもいいそうです。いちいち湯を沸かすのが面倒になって、おじさんはほとんどミルトンのお世話になっていました。

次の手術まで

こんな風なケアを毎日欠かさずしなくてはなりませんし、カテーテルや傷をどこかに引っかけてしまわないように気をつけて生活しなければなりません。

カバーや包帯で覆っていればその心配も少なくなりますが、夏などはとても暑くて厭になります。おじさんは厭になって、はじめて夏を迎えて以降はカバーも包帯もなしで過ごしていました。

買いものして支払いをするときに、おじさんは親指を上に向けた左手で財布を持ってお金を取り出すのですが、カバーをつけていないと腕にカテーテルが突き刺さっているのがまる見えになります。

おじさんは全然慣れてしまっているのですが、レジのお兄さんお姉さんらを割りとびっくりさせてしまっていたみたいで、「ごめんね」と思うこともしばしばでした。

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お風呂に入るときも、最初は「濡らさないように」と気をつけて腕を上げて湯に浸かったりしてましたが、そのうち気を使わなくなって、手術していないときと同じように入浴するようになりました。慣れると普通に生活できました。

こうして最低半年間、腕の面倒を見ながら生活する訳ですが、おじさんが次の手術を受けたのは、腕の手術からまる5年経ってからのことでした。5年間、腕にカテーテルを挿したまま生活してたの。

カテーテルがめちゃくちゃ好きだった訳ではなくて、やっぱり体調とかお金とか仕事の都合で延び延びになっていたのです。特に持病、うつ病の調子がよろしくなくて、5年の間に2~3回入院してました。

やせてこい

さらにですね。

最初の記事とかプロフィールで述べてます通り、おじさんデヴなんです。手術を受けたときもやっぱりデヴで、腕の手術のときに執刀医から「次の手術を受けるときはBMIを25以下にしてくるように」と言われたんです。デヴだと手術しづらいみたいです。

当時のおじさんのBMIは29.6くらいあって、10数kgくらい減量しなくてはいけませんでした。この減量に手間取ったのも、5年も開いてしまった理由のひとつではあります。

おじさんが現在すべての手術を済ませているということは、そうです、無事に減量できて、おじさんはかなりスリームになりました。でも現在は減量前より重いです。

どうやって痩せたかとか、うつがどんな風にひどかったかとか、腕トンネルに対する周囲の反応とか、そういったお話にもおもしろいものがあるのでのちのち記事にする予定でおりますが、まずは手術のお話をすべて済ませることと致します。

次回は三たびタイへと出発の巻。

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