おじさんがおじさんになるまでの話

おじさんは昔おじさんではなかった。それどころか、男の子でさえなかった。男の子に生まれなかったおじさんが、いかにしておじさんになったかを少しずつお話ししていきます。

ちんちんもケアする

ごきげんよう、ときどき過集中で時間がわからなくなるおじさんです。

タイで陰茎形成術を受けて、帰国した後のトラブルを書いて参りました。皮弁を切り取った後の腕の傷がまだぱっくり開いていたのは、ほんとうにびっくりしたなあ。

びっくりしたんだけど、持病のうつが結構悪い状態だったので、すぐには適切な処置ができなくてああん(´Д`)てお話でした。

それ以外の部分は何もしなくてよかったかってーと、そんなこたーない。というのが今回のお話です。

患部は清潔に

傷がある部分というのはとにかく清潔に保っておかなければなりません。だから可能ならば入浴もした方がいいです。うつがひどいと入浴って大変な重労働になるのですが(大袈裟に表現しているのではなく、ほんとうに大変)、このときのおじさんは何とかシャワーだけでもがんばっていました。

腕や尻の傷は、外科で防水シートを貼ってくれているので、できるだけ濡らさないようにして、さらに風呂上がりには水分をよく拭って、それだけで済みました。

 さて、一番大事な部分は。

手術で形成した陰茎と陰嚢周辺ですね。ちんちんと玉袋です。皮弁を使ってちんちんを形成しましたが、それだけでなく、大陰唇を利用して玉袋も「それらしく」形成します。

手術で形成した陰茎の写真(術後約1年/無修正)
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泌尿器ですが性器でもあります。
見ても後悔しない人だけクリックしてください。

病院によって、あるいは希望によって、形成した玉袋の中にシリコンの球体(睾丸を模したもの)を入れることもあるようですが、おじさんはその手術はしませんでした。そして、その奥、大陰唇の間には膣があった訳ですが、それは粘膜を外して塞ぐ手術が施されております。

しかしですね、ネイティブ男性の会陰部(睾丸と肛門の間の部分)みたいにつるんとなるわけではありません。ちんちんの付け根の後ろ側が2つに分かれてそれぞれが玉袋になって、その間はちょっとくぼんでいます。指の第一関節までが入るくらいのくぼみ。

で。

それらの部分というのは、手術で切ったり縫ったりして作られているので、ほぼ縫い目です。縫合糸は溶けて人体に吸収されるやつらしくて抜糸らしい抜糸をした憶えはないんですが、タイ滞在中から患部の消毒はずっとしていました。

風呂でやさしく洗浄した後、水分をよく拭き取って、充分に乾燥させます。おまたというのは大変蒸れやすい場所ですので、可能な限り乾燥状態を保てるようにせねば、傷にもよくありません。

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という訳で、タイ滞在中は屋外を移動するとき以外はずっとノーパンで過ごしていました。半裸(下半身の方が裸)です。消毒液やら滲出液やら出血やらでソファやベッドなどが汚れないよう、常に尻の下にはトイレシートを敷いていました。

さすがに帰国後は、おパンツもズボンもはいていましたが、入浴後は股を広げてすわってうちわで煽いだり扇風機で風を当てたりして乾かしてから衣服を着けました。

さて、その前に。

風呂上がり、お股を乾かしたらおパンツをはく前に、消毒しなければならないのです。帰国後1箇月くらいは消毒を続けていたかな? 病院で処方された赤チンみたいな消毒液を脱脂綿に染み込ませて、その脱脂綿でちんちんやら鼠径部やら玉袋やらを拭います。

こう言うと割りと簡単に思えますが、ちょっと時間がかかる作業です。ちんちんは視線を下げれば見えますが、会陰部って鏡を使っても見るのが難しいんですよ。

柔軟体操するときみたいに両脚を大きく広げて後傾した姿勢を取って(骨盤を後傾させないと会陰部が見えない)、その前に鏡を立てて、鏡越しに見ながら患部を拭うのです。結構、時間と手間を食う作業です。

ダイレーション

前の項でお話しした消毒は、日に1回で済みます。期間も短い。しかし、ダイレーションは術後少なくとも半年は続けなければなりません。

入院中のお話でも少しふれましたが、ダイレーションというのは、手術でつくった尿道が塞がってしまわないように、尿道カテーテルを留置しておくことです。つまり、ちんちんにシリコンの棒を常に挿しておくってことです。

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▲ダイレーションの道具

前にもこのたとえはお話ししたかと思いますが、ピアス穴と同じです。

ピアス穴を開けたらしばらくは消毒しつつピアスをつけっ放しにしていないと、せっかく開けた穴が塞がってしまいますね。傷が落ち着くまでは消毒とピアス装着は続けなければなりません。

同じように手術で形成した尿道も、落ち着くまでは清潔を保ちつつ棒(カテーテル)を挿し込んでおかないと塞がってしまうのです。尿道が塞がると排尿できません。排尿できないと、おしっこが出なくて苦しいだけでなく、生命に影響します。

という訳で、ダイレーションをしなければならないのです。

ダイレーションの手順

ダイレーションに使用するのは、長さ15cmに切った尿道カテーテルです。導尿用のネラトンカテーテルではなく、膀胱に留置するバルーンカテーテルの先端15cmを使います。バルーンカテーテルの画像は下記wikipediaの記事で確認してね。

長いカテーテルを短く切って、これを生理食塩水などで洗浄して、尿道口つまりちんちんの先からゆっくり挿し込んでいきます。そのままだと入りにくいので、潤滑用のジェルをつけます。

カテーテルには糸が括りつけておきます。糸の位置は先端から13cmのところ。13cmというのは、形成してつくった尿道の長さです。生まれ持ったオリジナルの尿道は除いた長さです。

カテーテルの長さは、病院指示です。15cmに切って13cmのところに糸を結わえて糸の部分まで挿し込みなさい、という指導がありました。糸は、医療用のサージカルテープなどでちんちんに貼りつけておきます。そうしておくと、勝手に抜けてしまうことがありません。

常にカテーテル尿道に挿しておきます。これを「留置する」と言うのですが、排尿時つまりおしっこするときと入浴時以外は、ずっと留置しておきます。入浴時はちんちんをしっかり洗浄するために外します。

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尿意を感じた場合はカテーテルを外してトイレに行きます。トイレに行ってからカテーテルを外してももちろんOKですが、おじさんが当時住んでいたマンションは手洗いをするシンクとトイレとが少し離れていたので、手洗い場で外してからトイレに入っていました。

おしっこが済んだら、カテーテルを洗ってジェルをつけて、ちんちんに挿し込み直します。カテーテルに括った糸をテープでちんちんに留めるのを忘れないようにしないといけません。テープで留めておかないと、立ったりすわったり歩いたりしているうちに、カテーテルが少しずつ抜けてきます。

カテーテルは1日使ったら、消毒済みのカテーテルと交換して、使った方は洗って消毒します。消毒は下の過去記事に書いた腕トンネルのときと同じ方法で構いません。

やってることは腕トンネルのときと同じです。カテーテルを挿し込む場所が腕からちんちんに変わっただけです。

 尿道トラブル発生

上に書いたようなケアをしながら術後を過ごすのですが、既にみなさんお気づきの通り、術後は順調とは言えません。

腕と尻は3日に1回くらい病院で診てもらわないといけないし、お股の消毒は手間だし、ダイレーションしているのでトイレはもたもたするし。カテーテルは排尿時だけでなく排便時も外さないと、カテーテル越しにおしっこが出ちゃうこともあります。

さらには、何度も言ってしまいますがおじさんは うつ病持ちで、このとき状態がとてもよくなかったのです。精神科の主治医に診てもらって薬を再開してはいたのですが、以前服んでいた薬を以前と同じ分量服めば以前と同様の状態になるかというと、そうでもないのが精神疾患のややこしいところです。

おじさんのうつは主に身体症状が出るのですが、睡眠障碍や摂食障碍も併発することが多いです。眠れなかったり、食べるのが止まらなかったりです。体調がよくない上に、うつ症状が強くて薬の調整もうまく行っていなくて、よく眠れていない訳です。

さらに。この上に。

排尿時に熱感がある痛みを感じるようになり、尿線がだんだん細くなってくるのです。またもや襲い来る危機。おじさんに何が起こったのか。乞う次巻!

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