おじさんがおじさんになるまでの話

おじさんは昔おじさんではなかった。それどころか、男の子でさえなかった。男の子に生まれなかったおじさんが、いかにしておじさんになったかを少しずつお話ししていきます。

何で性別適合手術を受けようと思ったの?

ごきげんよう、食パンの袋についているバッグクロージャーが貯まりがちなおじさんです。何か捨てられないの。

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さて、前回は何とかして「ずれ」をなくして「耐え難い気持ち悪さ」を解消するのが「性別適合手術」だよ、というお話をしました。下図を用いて説明しましたね。

  

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「ずれ」があって気持ち悪いのん   「ずれ」をなくしてすっきりしたい!


図形ならば、どちらかを削ったり継ぎ足したりして「ずれ」をなくすことができますが、性別の「ずれ」はどうやってなくせばいいでしょうか……?

ずれているのはどっち?

ごくごくちょーかんたんに言うと、自分が認識している性別と身体の性別との間に「ずれ」があって、それが耐え難いというのが性同一性障害です(正確なところはWHOだとか日本精神神経学会だとかで調べてね)。

この二つの間に「ずれ」があるということは、自分の認識に対して身体のかたちがずれているんだろうか、それとも、身体のかたちに対して認識がずれているんだろうか。

むかーしむかしはね、認識の方がずれてるんだから認識を直そう、てことで、精神科のお医者ががんばっていました。「あなたが気持ち悪いと感じている『ずれ』は、あなたの認識の間違いから生まれているから、それを治しましょう」てことね。

おじさんがずいぶん以前ににお世話になった精神科医も「最初は私も認知を治そうとしたけど、それは無理だとわかったので、あなたには何も言いません」というようなことを仰いました。けれども現在ではまったく逆。身体の方を認識に合わせるという方法が治療として選択されます。

本人が認識している性別と身体の性別とがずれていた場合は、身体の方が間違ってるんだぞ、ということですね。

身体のずれを治すには

おじさんはものごころついたときから「自分は女の子ではない」と思っていました。

どうしてそんなことを思っていたのか。それはわかりません。

たとえば、日本の国旗。「白地に赤く日の丸染めて」と歌われている通り、日本の国旗の真ん中にあるまるは赤いですね。あのまるを、みなさんはいつから「赤い」と思っていましたか? どうして「赤い」と思っていますか?

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なかなか答えづらんじゃないでしょか。

何つーか、こう……て感じで「ろくろをまわして」しまったりしませんか。

そんな感じでおじさんが「自分は女の子ではない」と思ったのも、理由はあるようなないようなで、気がつけばそう思っていました。しかもその認識は、どう揺さぶりをかけられても揺るがぬ強いものだったのです。

でも、ちんちんはついてないし、10歳の年の秋には初潮を迎えたりして、身体が女性であることは間違いはなさそうです。

この「ちんちんはついてない」ということや「月経がある」こと、「乳房がふくらん」だり「筋肉がつきにくい」ことが、おじさんにとっては苦痛でした。で、この苦痛が10年経っても20年経っても、いつまでもなくならないのね。

おじさんは苦しいとか痛いとか、全然好きじゃないです。できるだけ楽に生きたい。て訳で、これを解消するための手段を探して探して辿りついたのが性同一性障害の治療、即ち「性ホルモン剤の投与」と「性別適合手術」だったのです。

いよいよ手術の話だよ!

ということで、いよいよ「性別適合手術」の具体的なお話!……なのですが、ここまで随分長くなってしまいましたので、続きは次回に。お待たせして申し訳ありませんが、お待たせついでに、も少しお待ちくださいねー。