おじさんがおじさんになるまでの話

おじさんは昔おじさんではなかった。それどころか、男の子でさえなかった。男の子に生まれなかったおじさんが、いかにしておじさんになったかを少しずつお話ししていきます。

また手術?!

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さて、陰茎形成術を終えて帰国したおじさんは、おしっこが止められなかったり出せなかったり、おしっこ関係のトラブルが絶えません。前回は膀胱鏡検査を受けたお話をしました。

今回は、それからのお話です。

ついに尿閉

膀胱鏡検査によって、手術で形成した尿道は取り敢えずきれいに治癒しつつあります、という診断を受けましたが、形成した尿道と生まれ持った尿道との境い目が、そこは術後の「縫い目」で傷やら縫合糸やらが混み合っていて、膀胱鏡を進めづらい状態。

という訳で、膀胱鏡は膀胱まで挿入して尿路の監察をする器具ですが、膀胱まで進められなかったのでした。つまり、形成した尿道と生まれつきのオリジナル尿道との境い目とそれより奥側(身体の内側)はどうなっているかわからないということです。

服薬しつつ経過観察……でしたが。

秋が過ぎ、冬になり、年末が迫るにつれ、どんどん排尿が難しくなっていきます。排便するときくらい力む必要があった排尿は、やがて便秘時の排便のように力まなくては排尿できなくなり、尿線は線ではなくなりました。

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みなさん、排尿するとおしっこが放物線を描いて便器の中に落ちていくかと思いますが、それは滴が断続的に切れ間なく排出されていて、連なって線に見えているのです。とてもスムースに液体が排出されている状態です。

陰茎形成術を受けて帰国した年の12月。おじさんはぽた、ぽた……と雨だれのようにしか排尿できなくなってしまいました。しかも、かなり固い便を排出するように、血管が「ぷち」て言いそうなくらいに踏ん張って、その排尿の状態なのです。

顔が熱くなって息が切れるほど力んでおしっこを出そうとする訳ですが、力むと会陰部が痛い。身体の中は目に見えませんが、おしっこが狭いところを無理やりこじ開けて出ようとしているのだ、という感覚があります。

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泌尿器科の主治医が、とうとう大きな病院への紹介状を書きました。「より詳しい検査をした上で、手術をしましょう」と。この日は12月28日。その年最後の診察日でした。

だから、大きな病院もその日で診察が終わり。検査してもらうにも年が明けてからしか診てもらえません。おしっこが出ないまま年越し……。

診断名は尿道狭窄。中年以降の男性にはよくある病気らしく、治療には保険も適用されます。手術はほぼ確定のようです。

排尿ができない年越し

「出ない」と言っても一滴も出ないのではなく、滴がぽた、ぽた、とではありますが、何とか出ることは出ているので、年明けまで自宅でいることはできました。その代わり、一旦尿意を覚えると1回のトイレは長くかかりました。一滴ずつしか出ないから。

6割~8割出てしまうと膀胱が張った感覚もきつくはなくなるので、「もういいか」て感じでトイレを終えてしまったりするのですが、そうすると、膀胱に残っている尿がじわ……じわ……て感じで洩れていくんですね。

1日かけておパンツが少しずつ少ーしずつ湿っていくの。「洩れてる」という感覚はないから、自覚がないと「何でおパンツ濡れてるのん?」て思うやつ。

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おパンツが常時湿っているのは衛生上もよろしくないので、この頃はおむつ用の尿取りパッドをおパンツにくっつけて生活していました。「男性用尿パッド」という、生理用ナプキンくらいのサイズ感の、取り扱いがよりしやすいものがあると知るのは数年後のことです。

そして正月明け。

主治医からの紹介状を持って総合病院の泌尿器科に行くと、まず膀胱鏡検査。その後、採血、採尿、心電図など、手術のための検査。1日がかりで初診から術前検査まで済ませて、入院日決定。手術ですよー。

尿道がずれている

診断名は尿道狭窄なのですが、総合病院での膀胱鏡検査によると、「狭窄」と言うよりは「断裂」だそうです。

主治医の膀胱鏡検査を受けたのが、陰茎形成術から3~4箇月後。総合病院に行ったのが8箇月後。4~5箇月の間に手術した尿道内部も落ち着いていて、膀胱鏡は膀胱まで通すことができました。その検査の結果が尿道断裂だったのです。

尿道を復習してみましょう。下図はネイティブ男性の尿道周辺図。

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おじさんの場合は赤い破線からちんちん側が手術で形成した部分、身体の本体側が生まれ持ったオリジナルの部分です。通常こんな状態なのですが、術後3~4箇月辺りからおじさんの尿道は形成した部分とオリジナルの部分が少しずつずれはじめていたんですね。

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形成した尿道の端とオリジナルの尿道の端がそれぞれ細くなって(狭窄して)、排尿しづらくなっていました。「おしっこが出ない」状態です。出ないから思いっきり力んで出そうとしていました。そうすると狭窄した部分に圧力がかかります。

圧力がかかって尿道が広がれば尿が出たのですが、広がらなかったので尿道の別の部分が広がってしまいました。そこが憩室っぽく空洞になっていて、尿が一旦そこにたまってから出るようになっています。

排尿しても全部出し切るのがちょっと難しくなっていて、空洞部分に残っている尿が少ーしずつ洩れ出してくるんじゃないか、という担当医のお話。ほえー。狭窄も憩室も治るんかいな。

とにかく、入院と手術が決まりました。入院は1週間ほどだそうです。手術の次第は次回のお話。

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